589本舗 釣りエサ「589EX 日本一」をリリースする589本舗の公式ブログ! みなさまからいただいた釣果情報を中心に、新製品情報、イベント情報などを発信!

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#11:釣り方の基本〜釣りの準備。

えーっと、どこまで書いたっけ……というくらい放置してしまいましたが、続けましょう。
ポイント(釣り座=座る場所)が決まったら、釣り道具を準備します。

椅子はできるだけ平らな場所に置き、左側にボウルをふたつ。
一般的には利き手で竿を操作して、反対側の手でエサを扱います。竿を持ち替えて利き手でエサを扱うと、竿のグリップ部分が汚れてしまうからなんですね。
最初のうちは、利き手じゃないほうの手でエサをこねたり、ハリにつけたりするのは結構難しいのですが、これは慣れてしまったほうが圧倒的によいです。

 
で、この段階でエサを作りはじめます。
なぜなら、エサに水分が満遍なくいきわたるのに数分かかるから。先に仕掛けをきっちりセットしてからエサをつくると、気持ちが逸って、ムラのある状態のエサを使ってしまいがちだからです(その人の性格にもよりますが)。

練りエサの釣りでは、エサが入ったボウルと、水が入ったボウル。このふたつが必須です。
釣り堀でエサをもらうと、エサが入ったボウルひとつしかないのが普通ですが、水が入ったボウルがないと、手を湿らせたり洗ったりすることができません(折りたたみバケツで代用も可)。

まず、紐付きの折りたたみバケツで水を汲み、ひとつのボウルに移します。そして、もうひとつのボウルにエサを入れ、水を加えてヘラで混ぜておきます。
水とエサの割合はエサによって異なります。589EXシリーズはエサ:水=2:1が基本。ハリにつかないほどポロポロしていたり、逆に水が多すぎてべちゃべちゃになっていたりしなければOKです。
それと、日光が当たって乾燥してしまいそうなときは、湿らせたタオルをボウルの上にかぶせておくとよいですね。


エサを放置しておいて、仕掛けのセットです。
あらかじめ仕掛けを作ってあるなら、スナップで穂先に取り付けるだけ。ノベ竿は穂先側から伸ばしていきましょう。継部分が緩んでしまわないよう、しっかりと。


で、次がちょっと大事。ウキ下(ウキからエサまでの距離)の調整です。気合い入れて(笑)イラスト描きました。

練りエサのコイ釣りは、エサが水底にある状態にするのが基本です。いわゆる「底釣り」ですが、これにはふた通りあると知っておいてください。
ひとつはオモリが水底に着いた状態の「オモリベタ」。もうひとつは、オモリは水底から離れていて、エサだけが水底に着いている状態。
一般的に「底釣り」というと、後者を指すことが多いので、以降、後者(エサだけ水底)を「底釣り」とし、前者の「オモリベタ」と区別します。

アタリがとても小さいときは、圧倒的に底釣りが有利ですが、まずはオモリベタからやってみましょう。
オモリベタの場合、ウキの浮力とオモリの重さのバランスを考える必要はあまりなく、オモリの重さでウキが完全に沈んでしまう(これを「ウキが負ける」といいます)組み合わせならOKです。
ちなみにですが、オモリベタの釣りでハリスが長すぎると、魚がエサをくわえたときの動きがオモリに伝わりづらく、結果、アタリが出づらくなります。589式のように短いハリスの仕掛けがオススメです。アタリはオモリが動いて初めて出るものなのです。


では、ウキ下の調整。ウキとオモリの距離を、まずは適当に竿1本〜1本半(竿1本は継竿の1セクション分=90センチくらい)にしておいて、仕掛けを振り込みます。ハリにエサをつけておいたほうが、根掛かり(ハリが水底の障害物などに引っかかること)しにくいのと同時に、魚を集めはじめることができます(1投目でいきなり釣れることもあるので油断しないでね)。
オモリが水底に着いたとき、ウキが完全に沈んでしまうようなら、ウキ下を長くします。逆にウキが立たず、水面で寝てしまっていたらウキ下を短くします。これを数回繰り返し、ウキが2/3くらい(甲型ウキを前提にしてます)水中に沈んでいる状態にしましょう。

ま、コイの元気がいいときなら、寝ていたウキが一気に水中に引き込まれるくらい大きなアタリが出るものですが、やっぱりウキは立っていてナンボです。

せっかくなので(?)エサだけが水底にある底釣りの場合のウキ下調整についても説明します。覚えておいて損はないですから。

まず、底釣りではウキとオモリのバランスをとります。ウキ下を短くしてオモリが水底につかないようにした上で仕掛けを投入し、ウキの1/2くらいが沈むよう、オモリの重さを調整します。
この状態でエサをつけると、エサの重さでウキはもっと沈みます。このことをよくイメージしてください。

で、今度はエサを付けて、オモリベタのときと同じようにウキ下を調整します。ウキが完全に沈んでしまうようなら、ウキ下を長く。これもオモリベタのときと同じです。
肝心なのは最後の詰めの部分です。ウキが立ったとしても、1/2くらいしか沈んでいなければ、ウキにエサの重みがかかっていないということ。つまり、オモリとエサの間のハリスがたるんでいるわけです。この状態だと、底釣りのメリットがあまり出ません。ウキが2/3ほど沈んだ状態に調整しましょう(言うほど難しくないけれどちょいと面倒です)。
ウキにオモリの重さとエサの重さ(もしくは水底にあるエサの抵抗)がかかっていれば、ハリスがだいたい張っているので、魚がエサをつつくくらいの動きでもウキに伝わります。すなわち、小さなアタリが分かるということです。

もうひとつのメリットは、エサがハリから外れたのが分かること。エサの重さがかからなくなると、ウキはエサをつけない(最初にウキとオモリのバランスを調整したときの)状態まで浮いてきます。一方、オモリベタでは、オモリの重さだけでウキがいい具合に沈んでいるので、エサがなくなったことに気づきません。



なお、水底が真っ平ら(じゃない場合もあるけれど)な釣り堀ならともかく、水底の起伏が激しいところでは、仕掛けの投入ポイントが数十センチずれるだけで、水深が変わってしまいます。
毎回できるだけ同じ場所に仕掛けを投入したほうがいい理由の第一は、魚を一箇所に集めることですが、ウキ下をいちいち調整しなくて済むというのも理由のひとつです。
つーことで、「#12:釣り方の基本~振り込み・アタリ・アワセ」に続く!
このハウツーコラムを読んで不明な点があったら、じゃんじゃん質問してくださいねー!
できる限りお答えいたします。
*本解説は小林重工ではなく「589本舗」が書いています。

#10:釣り方の基本〜ポイントの選び方。

さて、道具もエサも揃いました。いよいよ実践です。

魚が釣れるかどうかは、魚の機嫌(エサを食う気があるかどうか)次第。お腹いっぱいのときはエサを摂ろうとしないものです。これは人間がコントロールできる話ではありません。
人間の側ができることは、食い気がある魚を効率よく狙うことだけ。それが、ポイント選びの意味です。
簡単に言えば、エサが魚の目の前にくるようにする、ということです。

コイは池のなかを回遊しています。その回遊ルートの近くにエサを投入するのが、コイ釣りの最大のコツです。

もちろん、どこを回遊しているかなんて、同じ池に通い込んでいるベテランでもなければ分かりませんが、基本的なことだけは理解しておきましょう。

コイの主な回遊ルートになるのは、水深が急に深くなる(浅くなる)、「カケアガリ」と呼ばれる水底の急斜面です。投入した仕掛けを少しずつ手前に引いてきて、ウキが急に立たなくなったところ=急に浅くなったところが、そのカケアガリと考えればよいでしょう。
練りエサには集魚力があるので、仕掛けの投入点が多少カケアガリから外れていても魚のほうから近寄ってくれるものですが、正確にカケアガリに投入したほうが釣れる可能性は格段にアップします。



もっとも、ビギナーがカケアガリを探るのは、とても難しいと言わざるをえません。そこで、現実的な方法を紹介しましょう。
まずは使っている竿で仕掛けをできるだけ遠くに振り込むこと。こうすることで常に岸から同じ距離のところにエサを投入できるからです。方向も正確にコントロールできれば、同じ場所に練りエサが溜まり、よりコイを集めやすくなります。
また、岸から遠いほうが、コイが警戒せずにエサを食べてくれるものです。



もうひとつは、岸際ギリギリに仕掛けを落とし込むこと。海の堤防での釣りでは、こうした釣り方を「ヘチ釣り」と呼びますが、これはいわば「コイのヘチ釣り」です。
先ほど、コイはカケアガリに沿って回遊すると書きましたが、岸際が緩やかに深くなる海の砂浜のような状態ではなく、護岸などで足元から深くなっていれば、それに沿って回遊することも多いのです。
竿を振らず、ミチイトをつまんで足元にポチャンとエサを落としてもよいので、同じ場所に練りエサを集めやすいですし、ウキが目の前にあるのでアタリも見やすくなります。



とくに、ヘラブナ釣り師が多いところでは、この釣り方が有効になるケースが多いです。というのも、ヘラブナ釣り師が帰る際に足元の水面に捨てる残りエサを目当てに、コイが寄ってくることがあるからです。
ただし、足元まで寄ってくるコイは、警戒しながらエサを摂る傾向があり、釣り方にはひと工夫が必要になることも。このあたりは後ほど詳しく解説します。

ポイントはシーズンによって変わることがあります。
前項で説明したように魚類は水温に敏感ですので、水温が高すぎる夏場は少しでも水温が低くて溶存酸素量の多い流れ込み(水路や川から池に水が流れ込んでくる場所)に元気のいいコイが集まります。反面、寒い冬は、あまり水が動かない、よどんだようなところのほうがよく釣れることがあります。





ただし、釣れる可能性が高い(と思われる)ところと、釣りやすいところは、必ずしもイコールではないのが現実です。
椅子が置きやすいか、竿を振るスペースがあるか、魚を掛けたあとの取り込みが可能かなど、実際は釣り人側の都合で、ポイントはかなり絞られます。また、釣りができる公園でも、釣り禁止の区域を設定していることがあります。
いかにも釣れそうだからといって、釣り禁止区域や、危険な場所に立ち入らないようにしましょう。

もっとも現実的な方法は、実績のある、つまり誰かがそこで釣ったことがあるという場所で竿を出すことです。釣り物(対象魚・釣り方)によっては、人が探し出したポイントを奪うのは邪道、という捉え方もされますが、こと公園の釣りにおいては、気にする必要はないと思います。
もちろん、そのときそこで釣りをしている子供を蹴散らしてポイントを奪うというのはダメに決まってます(言うまでもありませんね)。また、釣りをしている人のすぐ近くで竿を振るのも、NGだと考えましょう。最低でも使っているノベ竿の長さ分、隣の人との間隔を空けることで、イト絡みなどのトラブルが避けられます。

自分で釣れる場所を探し出せれば、それに越したことはありません。実績のあるポイントと似たような条件をもつ場所を探ってみましょう。
実績ポイントは浅いのか、深いのか? 障害物が近くにあるのか? 水の流れはあるのか? 日向?日陰? そんなことを考えながらポイントを探すことは(それが正解かどうかはともかく)釣りの楽しみのひとつです。


つーことで、「#11:釣り方の基本〜釣りの準備」に続く!

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*本解説は小林重工ではなく「589本舗」が書いています。

#09:エサの選び方と使い方。

コイはさまざまなものを捕食する、いわゆる雑食性の魚です。水底の有機物(生ゴミ的な感じでしょうか)、水面に浮かぶ昆虫、ザリガニ、小魚、タニシといった小動物、さらには水面に落ちる木の実などまで食べてしまいます。

釣りエサとしては、ザリガニやタニシも使われますが、ミミズと練りエサがポピュラーです。
ミミズと練りエサは、どちらも釣具店などで購入できますが、オススメは練りエサ。ミミズはとてもいいエサなのですが、生きているミミズにハリを刺すのに抵抗がある人は多いでしょう。また、保管が効かないので、釣りに行く前に購入しないとならないため、「気が向いたら公園に……」というスタイルには向きません。
一方、練りエサは、粉末状で売られていて、現場で水を混ぜてつくるものなので、保管も持ち運びも楽。また、水の中で溶け出して広い範囲から魚を寄せることができるので、ポイント(エサの投入点)が完璧でなくても釣れる可能性が高く、結果も早く出る傾向にあります。
なお、人工エサ(ボイリーなど)については、説明しはじめると長〜くなるので、ここでは触れないでおきましょう。
釣具店に行くと、さまざまな練りエサが売られています。コイ釣り用、ヘラブナ釣り用、小魚釣り用のほか、磯釣り用など、バリエーション豊富です。コイを釣るには、当然、コイ釣り用の練りエサが向いています。
589本舗で製造しているのは、小林重工の鋭いアイデアを元に作られた「589EX」「589EX 破泡度(パワード)」「589EX 日本一(にっぽんいち)」。「どんな練りエサを選んだらいいの?」と聞かれれば、もちろん「589EXシリーズ」としか言いようがないですし、実際、よく釣れるエサであると自負していますので(その秘密は……ベテラン向けの話になるので、ここでは割愛)、以降はこのシリーズを例にとって解説します。



589EXシリーズに限らず、練りエサを選ぶカギのひとつは、溶け出す速さです。専門的には「バラけやすさ」などとも言います。
バラけが速いエサは、ハリに残っている時間が短い反面、素早く拡散して魚を集めます。バラけが遅いエサはその反対なので、あまり魚影が濃くなく、じっくりアタリを待つような釣りに向いています。589EXシリーズでは、バラけやすい順に「589EX 破泡度」>「589EX 日本一」「589EX」(後2者はだいたいいっしょ)となります。
下の写真は、水の中に入れて5分くらいしたあとの「589EX 破泡度(右)」と、「589EX(左)」。何分でバラけるかは、水温や、水流の有無、練り込み方で変わりますが、とにかく右のほうが早くバラけていることが分かります。



もっとも、どんな練りエサでも、強く練り込めばバラけにくくなります。また、集魚力を高めるために、大きくハリにつけたり、撒きエサをする(釣り場のルール上、問題がなければ)ことも可能です。ですので、ビギナーの方には、シリーズのなかでも価格の安い「589EX 日本一」をオススメします。

589EXシリーズは少量生産のため、大手メーカーの商品に比べて価格が高いのが難点、というか申し訳なく思っている点です。とはいえ、私の釣りでの平均を考えると、半日の釣りで1/3〜1/2袋の使用であり、より短時間で結果を出せることもあって、気にするほどではないと思っています。
コストを下げるには、ほかの材料と混ぜて使うのが手です。私がよくやるのは、パン粉と半々で混ぜる方法。とくに釣り堀など、魚影の濃い場所では、これで十分な結果が出せています。また、ヘラブナ釣りなど、バラけ性を高めたいときも、バン粉を混ぜるのは良い方法です。
他メーカーのエサと混ぜる方もいらっしゃいますが、実はあまり勧められない方法です。というのも、大手メーカーの練りエサは、釣具店で保管している間に虫が湧いたり、カビが生えたりということを防ぐため、保存料のようなものが含まれているからです。私は、魚がこうした物質を忌避すると考えているので、589EXシリーズには使っていません(反面、虫が湧く可能性があるのですが)。
「589EX」シリーズの作り方は、基本的にすべて一緒。エサ2に対して水1を加え、しゃもじなどを使って水を満遍なくいきわたらせたら2〜3分待ちます。その後、よく混ぜて出来上がりです。「破泡度」に関しては、少し水を少なめ(1〜2割減)にしたほうが具合がよいです。
ちなみに大手メーカーの練りエサであれば、パッケージに作り方がイラスト入りで説明されていますので、それに従って作れば問題ありません。


ヘラブナ釣りをする人は、出来上がったエサの硬さ(これを「タッチ」などと呼びます)にこだわりますが、コイ釣りにおいては、あまり神経質になる必要はありません。極論すれば、ハリについていさえいれば、釣れる可能性は十分にあります。
水を入れすぎてべちょべちょになってしまうと、仕掛けを投入する際にエサが落ちることがありますが、こうなると釣れる釣れない以前の問題です。

水中のエサがどれくらいハリに残っているかは、前述の通り、エサのタイプや練り込み具合、つけたエサの大きさ、さらには水温や水の流れの有無で変わります。強めに練り込んだ「589EX」なら15分以上、もつこともあります。
現場では、エサを投入してしばらくしたら仕掛けを引き上げ、エサが残っているかどうか確認しましょう。何度か繰り返せば、使っているエサがどれくらいもつのか分かると思います。できるだけ正確に把握したいのであれば、エサの投入と同時に、水を張ったボウルなどに丸めたエサを入れて観察すればよいでしょう。私は正直、面倒なのでやっていませんが……。

作ったエサは、ギンナンの実くらいの大きさに丸め、ハリを埋め込んで丸型、もしくは涙型にするのが基本です。





魚の寄りが悪いときは、エサを少しポイントに撒くのがひとつの手ですが(ルールで禁止されていないのが前提)、ほかに大きめ(ピンポン球くらいにすることもあります)につけるのもアリです。
大きくすると溶けて拡散する効果が高くなり、同時にアタリをじっくり待つこともできます。大きすぎると一発ではコイの口に入りませんが、ウキが小さく動く、いわゆる「前アタリ」を我慢して待ち、大きなアタリ(本アタリ)でアワせれば問題ありません。
ただし、釣り堀などの魚影の濃い場所でエサを大きくすると、効率が悪くなるばかりか、周りに寄ってきた魚の体にハリが引っかかる、いわゆる「スレ」が多発するので、常に小さめにつけるのが基本。場所や状況に合わせて大きさやタッチを試行錯誤するのも、楽しい作業かもしれませんね。
つーことで、「#10:釣り方の基本〜ポイントの選び方」に続く!

そうそう、このハウツーコラムを読んで不明な点があったら、じゃんじゃん質問してくださいねー!
できる限りお答えいたします。

*本解説は小林重工ではなく「589本舗」が書いています。

#08:ノベ竿の仕掛け。

ノベ竿のコイ釣りには、ウキ釣りとパンプカ(パンを浮かせて釣る)の2通りがあります。まずはウキ釣りの仕掛けについて説明しましょう。

ウキ釣りに使われるエサには、練りエサ、活きエサ(ミミズなど)、人工エサ(ボイリー)などがありますが、ここでは練りエサ使用(はっきり言えば589EXシリーズ)を前提としています。その理由は、エサの項目で改めて説明します。

仕掛けは、魚に近い側から順に

1)ハリ
2)ハリス
3)接続具(サルカンなど)
4)ミチイト
5)オモリ
6)ウキ
7)穂先に接続するスナップ(穂先をループしている場合)

以上で構成されるのが一般的です。「一般的」と書いたのは、いくつかのバリエーションがあるからなのですが、それはのちほど説明するとして、まずは一般的な仕掛けの各パーツについて知っておきましょう。

その前に、大前提として理解しておきたいのは、「仕掛けはバランスが大事」ということです。大きな魚を釣るために、ハリだけを強いものにしても、細いままのイトは切れてしまいます。当然、その逆も起こり得ます。全体的に強くしなければ、あまり意味がないのです。
そして、仕掛けの中で一番弱いところが、その仕掛けの最大強度になります。たいていの場合、それは接続部、もしくはハリにします。穂先との接続部が一番弱いと、仕掛けが切れたときに丸ごと失ってしまうからです。

ベテランの方のなかには、以下で解説する仕掛けに対して「強すぎるのでは?」と思う人がいるかもしれません。実際、釣り入門書などで標準とされている仕掛けよりも、かなり強いです。
公園の池では、ときに考えられないような大物が釣れる可能性があります。加えて、太い仕掛けなら、交換の頻度が少なくて済みます。とくに、仕掛け作りができない、あるいは仕掛けの扱いに慣れておらず、傷めてしまいやすいビギナーにとっては、太い仕掛けは欠点より利点が大きいと考えています。
ただし、ここで紹介する仕掛け(の強さ)は、強めの万能竿の使用を前提としています。柔らかい竿やカーボン竿を使う場合は、竿が折れる前に仕掛けが切れるよう、より繊細な仕掛けにしたほうが無難です。

それと、もうひとつ大切なこと!
仕掛けの長さは、竿の長さとだいたい同じにするのが基本です。長すぎても、短すぎても扱いづらくなります。
それでは、各パーツについて説明しましょう。

1)ハリを選ぶ
練りエサを使うコイ釣りに向くハリは、「ヘラスレ」などと呼ばれるヘラブナ釣り用のハリです。「コイスレ」など、コイの名が付いたハリもありますが、基本的には同じだと考えて構いません。
「スレ」はカエシ(ハリの先端付近についた小さな尖った部分)がないハリという意味。カエシは、魚の口に掛かったハリが抜けないようにするものという人もいますが、実際にはその効果は低く(むしろハリ穴が大きくなって外れやすくなることも)、ハリに付けたミミズなどのエサが落ちないようにするものと考えるのが正解です。
練りエサを使う場合、カエシがあってもなくてもエサの落ちやすさには関係がないので、スレバリを使います。また、万一、衣服や肌に刺さってしまったときも、スレバリのほうが抜きやすいので、練りエサを使うなら必ずスレバリを使うようにしてください。



ハリには大小さまざまなサイズがあります。大きな口の魚を釣るとき、練りエサを大きく付けたいときは、大きなハリのほうが有利です。ハリは、魚の口にさえ入れば、大きいほど掛かりやすいもの。ハリのサイズは「●号」と示されますが、コイ釣りではヘラスレ6号以上が目安です。

サイズとともに、太さも重要な要素です。単純にいって太いハリのほうが強いので、パッケージに「太軸」と書かれているものを選びましょう。
ただし、軸が太くなるとハリは重くなります。水底にあるエサをハリごと吸い込ませるのが練りエサを使ったコイ釣りの基本ですが、重くなるほどコイが吸い込みにくくなるので、あまりに太い軸のハリは適しません。
私がよく使っているのは、「がまかつ/ヘラスレ」の9号。ちなみに釣り堀では、大きいハリだとスレ掛かり(ハリが魚の体などに引っかかること)が多発することがあるので、少し小さめの「オーナーばり/へらプロスト」6号あたりを使います。さらに、小型のフナなどを釣る際は、「オーナーばり/へらプロスト」の4号あたり。ハリのサイズに加え、「ヘラスレ」より「へらプロスト」のほうが軸が細く、小さなアタリに対して刺さりやすいのも、こちらを選ぶ理由ですが……そこまでシビアに考える必要はないかもしれませんね。その差を感じたことはないですし(鈍感なだけ?)。

ついでに言えば、パンプカ(コ式)のハリはかなり大型、かつ重いものを使っています。それは魚がエサを加えるときの動作が、練りエサの釣りとはまったく違うことが理由になっています。ハリが重いとパンが沈みがちですが、コ式が浮力を担っているので問題にはなりません。

ちなみにハリは、使うほどにハリ先が鈍るなどして刺さりが悪くなるものですが、アタリが大きく、アワセも強いコイ釣りではそれほど気にする必要はないでしょう。ただし、ハリ先が折れたり曲がったり、あるいはハリ自体が伸ばされたりしたら、必ず交換しましょう。
2)ハリスを選ぶ
ハリスとは、ハリに結ぶイトのことです。ハリにイトを結ぶのはかなり面倒な作業なので、最初からハリスが結んであるハリを購入するのがオススメです。
この「ハリス付きハリ」では、ハリスにフロロカーボン製のイトが使われているのが一般的です。フロロカーボンとは、ナイロンよりも比重が重い素材で、水になじみやすい(抵抗なく沈んでいく)のが利点。硬く、張りがある素材なので、イト絡みなどのトラブルもあまり起きません。たいてい、30センチほどのハリスがついた状態で売られていますが、そこまで長くする必要はなく、ハリから接続部まで7〜10センチあれば十分です。



ハリスの太さは号数で示されます。ルアー釣り用などのイトは「ポンド表示」といって強度が示されていますが、だいたいポンド数を4で割った数字が号数だと考えればいいでしょう。
コイ釣りに向くのは、3号以上。釣り堀では1.5号以下の細いハリスも使われますが、公園や野釣りではさらに太い5号程度のハリスも使われます。
私は4号以上を多用し、場合によっては6号程度まで太くします。太くても釣れ具合に差を感じたことはない、というのが実際のところです。また、太いほうが、多少痛んでも切れる心配が少ないので、太めを選ぶことをオススメします。

とはいえ、そんなに太いハリスがついたハリは、市販されていません。私の場合は、ハリだけを購入し、ハリスを自分で結んでいます。先ほど、「ハリを結ぶのは面倒な作業」と書きましたが、「自動ハリス結び器」という電動マシーン(?)があれば簡単に行なえます。
私が使っているのはhapyson社の自動ハリス結び器。使用可能とされているハリのサイズやハリスの太さを大幅に超えて結んでいますが、今のところ不具合はありません。

太いハリスにする際、私はナイロンイトを選びます。ハリス用にわざわざフロロカーボン製のイトを持ち運ぶのが面倒(買うのが嫌)ということもありますが、フロロカーボンの4号以上となると、張りがありすぎてハリにうまく結べないというのが一番の理由です。
ハリスは傷んだら交換します。ときおり指でつまんだ間を滑らせてみて、ザラザラした感じがあったら即、交換しましょう。
3)接続具を選ぶ
ハリスとミチイトは、サルカンなどの接続具を介して接続します。
接続具を介す理由は3つあります。ひとつは、痛みやすいハリスだけを取り替えられるようにするため。つぎに、根掛かりなどをしたときに、ハリスから下だけが切れるようにするため。最後は、接続具の上にオモリを取り付けることで、オモリがずれるトラブルを防げることです。

サルカンには「タル型」と呼ばれるタイプと、「ローリングサルカン」や「パワースイベル」という名のタイプがあります。多少値は張るものの、同じサイズなら圧倒的に強度が高い後者をオススメします。なお、小型の魚を相手にするときは、ハリス交換が楽な「自動ハリス留め」と呼ばれる接続具も使われますが、引きの強いコイを釣るには適しません。
私がよく使っているのは「NTパワースイベル」の5号。強度はもっと小さいものでも十分なのですが、あまりに小さいと、釣り場で落としたとき(よくあることです)に見つけにくいので、このくらいの大きさにしています。
4)ミチイトを選ぶ

ミチイトとは、穂先(竿先)から接続具までの間のイトのこと。ここには比重が軽く、伸び率の高いナイロンイトを使用します。フロロカーボンイトを使うと、イトが沈むことでウキが手前に寄ってくるなど、不具合が出てしまうので、ナイロンイトが唯一の選択肢です。
ベテランの中には、同じ強度なら細くでき、比重も軽いPE(ポリエチレン)イトを使う人もいますが、伸びがないので魚の引きを吸収せず、また、結節部分の強度を保つのが難しいのでオススメはしません。



私が多用するのはナイロンの6〜8号。釣り堀では3号前後、大物が釣れる可能性がある釣り場では、10号以上を使うこともあります。太い(強い)イトのほうが、擦れたり、紫外線で劣化したりして強度が下がっても使い続けられるし、一般的に言われる「太いと釣果が落ちる」という実感がまったくないので、太イトを使っています。
ビギナーの方には、接続具などへの結びやすさを考えると、5〜6号が使いやすいと思います。ハリスが先に切れるように、ハリスより1〜2号太いもの(ミチイト5号なら、ハリスは4号まで)を使いましょう。

商品としては、「銀鱗」など、品質に定評のあるものがオススメですが、廉価なものでも構いません。ただ、300m巻1,000円などという商品を、安いからといって購入しても使い切ることはないのではないでしょうか。ナイロンは紫外線で劣化しますから、50m巻きのものを選んだほうがいいと思います。

ミチイトはあまり傷まないので、交換の頻度は少なくて構いませんが、ハリス同様、ザラザラしたところがあったら交換したほうがいいでしょう。もっとも、6号程度の太いイトを使っていれば(かつ超大物が釣れる可能性がなければ)、しばらくそのまま使い続けても構わないと思います。
5)オモリを選ぶ
オモリは後述するウキの浮力に合わせて選ぶのが基本です。公園のコイ釣りは、オモリが水底に着いた状態の、いわゆる「底釣り(オモリベタ)」が基本ですので、ウキを完全に沈めるだけの重さがあるものを取り付けます。
ただし、釣り堀などでより繊細なアタリをとりたいときは、エサのついたハリのみが底に着いている状態にします(ほかにもメリットあり)。この場合、オモリはウキが2/3ほど沈んだ状態をキープできる重さのものを選ぶ必要があります。この釣り方は、少し難しいので、別途、詳しく解説しましょう。

ノベ竿のコイ釣りに使われるオモリとしては、丸型の「ガン玉(カミツブシオモリ)」、楕円形の「割ビシ」、板状の「板オモリ」などがあります。
板オモリは長さを変えることで、重さを微妙に調整できるのが一番の利点ですが、ここで解説する底釣りでは、そこまでシビアになる必要がありません。ガン玉か割ビシで十分に対応できます。

重さは、前述の通り、使うウキが完全に沈む重さ。使うウキによって変える必要がありますが、一般的にコイ釣りで使われるウキをイメージすると、ガン玉のB(0.6g)〜4B(1.4g)、割ビシなら「小(0.4g)」〜「大大(1.35g)」を用意しておけば事足ります。使うウキが決まっていれば、それに合わせればよいでしょう。オモリは接続具のすぐ上に取り付けますが、重さが足りなければふたつ、3つとつけても構いません。
水の流れのあるところでは、仕掛けが流れてしまわないように、より重いオモリを使用する必要があります。流れが強く、速いときは、10g程度のオモリを使うこともあります。
6)ウキを選ぶ
ウキにはさまざまなタイプがあります。ノベ竿の釣りには、丸型の「玉ウキ」、紡錘形の「トウガラシウキ」、ボディに細いストローのようなトップ部分が付いた「ヘラウキタイプ」、丸型やフットボール型のウキをいくつも連ねる「シモリウキ」などが使われますが、コイ釣りによく使われるのはヘラウキタイプです。



ヘラウキ(上の写真には入っていません。すいません……)とは、ヘラブナ釣り用のウキのこと。わざわざ「タイプ」とつけたのは、ヘラウキと同じような形状でありながら、浮力が高く、かつ安価なものを選ぶべきだからです。
浮力が高いかどうかは、ボディの太さと、トップの太さが関係します。こう書くと選ぶのが難しいように感じるかもしれませんが、実売価格で300円程度のものであれば間違いはないでしょう。
ちなみにヘラウキは1,000円以上(3,000円以上も当たり前)です。高いウキのほうがよいのでは?と、こちらを選んでしまうと、敏感すぎて(それがヘラブナ釣りには必要な性能なのですが)かえって使いづらいです。

サイズは、全長20〜30センチのものが使いやすいでしょう。長い竿で遠くのポイントを探るときは、長いウキのほうが見やすいです。逆に、短い竿で足元付近を探る際は、短めで構いません。とくに水深が浅いところでは、長いウキだと水中に入っているボディが魚を警戒させることもあり得ます。

ウキをミチイトにセットするには、いくつかの方法があります。
一番簡単なのは、「ウキ留めゴム」と呼ばれるゴム管にミチイトを通し、ゴム管にウキの下端を押し込む方法。ですが、この方法はオススメしません。強くアワセを入れたときなど、衝撃が加わるとウキが抜けてしまうことがあるからです。
基本は、ウキの下端に接続具を付け、そこにミチイトを通して、上下をウキ留めイトとシモリ玉で挟む方法です。上下のウキ留めイトの間隔は3センチ以上あれば十分。この余裕があることで、ウキが抜けてしまうことを防げます。



以上は一般的な話ですが、バリエーションとしてふたつのタイプを紹介しましょう。

ひとつは、流れのある場所で使う「カンザシウキ」というタイプ。これはボディが非常に太くなっていて、流れに押されてウキが沈むことを最大限抑えてくれます。
私が多用するのは「589本舗/亜多利」。沈みにくく、足元でも遠くでも見やすいのが利点です。



もうひとつのウキのバリエーションは、「589本舗/甲型ウキ」。
細長い発泡素材にイトが付いただけのシンプルなウキで、あまり売られていないことを除けば(589本舗販売部でしか取り扱っていないため。すいません……)、ビギナーさんに一番オススメです。



このウキは、ウキ留めイトを結ぶ要領でミチイトに接続します。





システムがシンプルになるので、トラブルが少ないのが大きな利点。発泡素材のため、破損することもありません。強いアワセで衝撃が加わると、ウキの位置が下にずれてしまいますが、ウキを結んだイトのすぐ下に別のウキ留めイトを結んでおくと、これを防ぐことができます。

唯一の欠点は、一度ミチイトに結ぶと、外すことがほぼできないということ。ですが、何度も使える太めのミチイトを選べば、経済的にとやかく言うレベルではないでしょう。
7)穂先の接続具
穂先がリリアンの場合、ミチイトとリリアンは「チチワ結び」で接続します。ですが、太イトではうまく結べない(自然に緩んでしまいがち)であることは前述の通り。よって、穂先をループにし、「スナップ」と呼ばれる接続具で接続します。



ほかのパーツ同様、スナップにもいくつかのタイプがあります。私が多用するのは、小型でも強度の高い「カルティバ/クロスロックスナップ」という商品。もっとも小さな「00」サイズでも強度50ポンド(25㎏)と十分なのですが、小さいと開閉に苦労するので、0号以上をよく使います。
なお、「強い(大きい)スナップは重くなって穂先の感度が下がる」という話を聞くことがあるかもしれませんが、ウキでアタリを感知するコイ釣りではこだわる必要がありません。強めのほうが強度低下を気にせず長く使えるので、経済的にもお得です。
さて、以上で一般的な仕掛けの解説は終了です。ここからは、実際に私が使う仕掛けのバリエーションを紹介しましょう。

ひとつめは、ハリ・ハリス・オモリが一体になった「589式」という仕掛け。零號、壱號、弐號の3サイズあり、浅場から流れのあるところまで対応しています。



ハリスはダクロン製で、長さは5センチほど。ダクロンはしなやかなので、コイがハリを吸い込みやすいのが利点です。仕掛けのセットが簡単なのも大きな利点。ミチイトの端に結ぶだけでセット完了!なので、イトを結ぶのが苦手なビギナーには、とくにおすすめです。

もうひとつは、ミチイトとハリスを別にせず、1本のイトで通す、いわゆる「通し仕掛け」です。589本舗販売部では、9尺の竿に合わせた「5EN(こーえん)-9」を販売しています。



通し仕掛けのメリットは、イトを結ぶ場所が穂先とハリの2カ所だけなので、強度低下の恐れが最小限に抑えられるということ。簡単に言えば「切れられないための仕掛け」です。逆に、根掛かりするとなかなか切れなくて困るので、根掛かりが多発する釣り場にはあまり向きません。
ガン玉の下に接続具などがないとアワセの衝撃などでガン玉が下に動いてしまいますが、これを防ぐために、ガン玉のすぐ下にウキ留めイトを結んでいます。

通し仕掛けの欠点は、イトの一部が傷んだら、すべて交換しなければならないことです。ですが、すべて新しくしても大した金額になるわけではないので、そこは気にしなくてもいいのでは……と思います。
ハリの近くだけが傷んだ、ハリが伸びたという場合は、その部分を切ってサルカンを結び、ハリスとハリを接続するという手もありますが、ハリスが長くなりすぎないように注意したほうがいいでしょう。


ところで、仕掛けを作るためには、いくつかの結び方を覚える必要があります。
穂先のリリアンとミチイトを接続する「チチワ結び」。ミチイトと接続具、接続具とハリスを接続する「ユニノット」もしくは「クリンチノット」。ハリスとハリを接続する「外掛け結び」など。そして、ウキ留めイトをミチイトに結ぶ方法。
いずれもここで改めて紹介するまでもなく、釣りイトメーカーのHPなどでイラスト入りで解説されているので、そちらを参考にしてください。

もっとも、仕掛けの構成によっては、ユニノットひとつで仕掛けを作ることも可能です。穂先をループにして、ミチイトとスナップ接続にすれば、「チチワ結び」は不要。ハリス付きハリを買うか、自動ハリス結び器を使えば、「外掛け結び」も覚える必要はありません。そして、ウキ留めイトの結び方は、ユニノットとほとんど変わりません。

なお、どんなに上手に結んでも、結節部分はイトそのものの強度の7〜9割ほどに低下してしまいます。仕掛け全体の強度を保つためには、結節部分(イトを結んだところ)の強度を落とさないことがカギ。結び目を引き絞る前に、唾液などで湿らせておいて、摩擦熱でイトが傷まないようにするのがひとつの方法です。

もっと根本的に強度をアップさせるには、イトをふたつ折りにした状態で結ぶのが手。
ユニノットにしてもクリンチノットにしても、イトに強い力がかかると、結び目に巻かれているイトが押しつぶされるような状態になって切れることが多いです。そのため、細いイトほど多く巻きつけて結ぶ必要があるのですが、イトを二重にして結ぶと、力が加わるイトの間に、力が加わらないイトが挟まれる状態となり、それがクッションになってくれるのです。接続具との間にかかる力も、イトを二重にすることで分散されます。
ちょっとややこしい話になりましたが、とにかくイトは二重にして結ぶ!と覚えていただければよいかと思います。
仕掛けはあらかじめ作っておき、収納ケースに入れて持っていくのがベストです。慣れてくれば、現場で状況を見ながら仕掛けを作ることも可能ですが、仕掛け作りに慣れていないと、ハリやオモリといった小さいパーツを落としてしまいがちです。

仕掛けは、仕掛け巻きと呼ばれるものに巻いておきます。
釣具店で売られている仕掛け巻きにはいろいろなタイプがありますが、どれでも構わないと思います。私は、DIYショップで売られている、厚さ1センチのEVAシートを、6×8センチ程度にカットして仕掛け巻きにしています。
仕掛けをあらかじめ十分に用意してあれば、別途、オモリやウキ、イトなどは持っていく必要はありません。ですが、私の場合、初めての釣り場に行くことも多いので、現場で対応できるよう、オモリ、ウキ、イト、接続具などをプラスチックケース(100円ショップで買える密閉容器でもOK)に入れて持っていきます。

つーことで、「#09:エサの選び方と使い方」に続く!

*本解説は小林重工ではなく「589本舗」が書いています。

#07:釣り竿の扱い方。

グラス製の万能竿は、カーボン製よりも堅牢で、とくにコイ釣りに向くものは穂先も太いので、扱いにあまり気を使う必要はありません。万一、折ってしまっても、高いものではないので大した痛手にはなりません。このことも、最初の1本にグラス竿をオススメする理由です。

とはいえ、扱いの基本くらいは覚えておきましょう。
・伸ばす際は、穂先から伸ばし、しまう際は、逆に根元からしまう。
・地面に転がしておかない(踏みつけて壊れることがある)。

このふたつが大切です。付け加えるなら、釣りが終わったら、濡れタオルなどで汚れを拭き取りながらしまうと、汚れがこびりつかずに済みます。砂などが付着したままにしておくと、次に使う際、継部分に砂が噛んで竿を傷めますので、汚れがひどいときは竿尻についたキャップ(尻栓)を外して各セクションを抜き、流水で洗っておくとよいでしょう。

振り出し竿でよくあるトラブルは、継部分が固着してしまえなくなることです。普通に使っていればまず起こりませんが、強い引きによって竿が完全に伸されてしまったり、根掛かり(仕掛けが水底の障害物などに引っかかること)して竿ごと引っ張ったりすると、固着が起こり得ます。
この場合の対処法ですが、手でグリグリと押し込もうとせず、固着したセクションを勢いよく竿尻側に投げ込むように(なんて解説すれば良いのでしょう、ダーツを投げるようなつもり? 下向きですが……)するのが第一です。
それでもダメな場合の対象法ですが……。

1)尻栓を抜いて、固着しているふたつのセクションを抜き取ります。
2)下のセクションの上のほうに輪ゴムを結びつけ、親指と人差し指に引っ掛けます。
3)下のセクションの下端が地面の2〜3センチ上にくるようにして、もう一方の手で上のセクションの上端をつまんで引っ張り上げて離します。つまり、輪ゴムの力で下のセクションの下端を地面に打ち付けるわけです。



上記は、以前、お客様の問い合わせに対して返信したメールに添付した図。下手くそですいません……。

それはともかく、手で無理やり押し込もうとすると、セクションがたわんで力が均等に伝わりませんが、この方法だと力が均一に加わるので、意外と簡単に固着が外れます。「必要な道具」のところでは述べませんでしたが、釣り場には太めの輪ゴムを忘れずに!
注意点は打ち付ける地面の状態。平らであることと、強く竿を打ち付けたときに痛まないよう、硬すぎないところを選びましょう。コンクリートの地面より、木のほうが望ましいです。これで固着が外れない場合は、諦めるしかありません。

ほか、竿が折れたときも、廉価な万能竿であれば諦めたほうが早いです。竿先が数センチ折れたという程度なら、そこにループをつければまだ使えます。高価な竿の場合は、購入したショップに持っていって、修理を依頼しましょう。もとの価格にもよりますが、たとえば589本舗のなかでは超が付くほど高価な「亜細亜号」の場合、6,000円〜12,000円(送料・支払い手数料込み。折れた場所による)で修理した実績があります。


つーことで、「#08:ノベ竿の仕掛け」に続く!

*本解説は小林重工ではなく「589本舗」が書いています。
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